地域のお祭りや花火大会、スポーツ大会、コンサートなど、大きなイベントが開催されると、周辺のホテルや旅館が満室になり、宿泊先を確保できない方が出ることがあります。
そのようなときに活用される仕組みが「イベント民泊」です。正式には「イベントホームステイ」とも呼ばれ、イベント開催時に自治体の要請を受けた住民が、自宅を一時的な宿泊場所として提供する制度です。
イベント民泊は、一般的な民泊のように年間を通して営業するものではありません。年に数回程度のイベント開催時に、自治体が宿泊施設の不足や地域住民との交流促進の必要性を判断し、自宅提供者を募集します。一定の条件を満たして自治体から要請を受けた場合には、その期間に限り、旅館業法上の営業許可を受けずに宿泊者を受け入れられる可能性があります。
宿泊者が地域に滞在することで、飲食店や商店の利用が増え、地域の観光や消費の活性化につながります。また、宿泊者に地域の暮らしや文化を知ってもらう機会にもなります。青森のお祭り、自然、食、雪国ならではの生活など、地域の日常そのものが旅行者にとって特別な体験になるかもしれません。
国のガイドラインでは、イベント民泊における「自宅」は、原則として個人が現在居住している住宅とされています。そのため、長期間誰も住んでいない完全な空き家が、そのまま対象になるとは限りません。ただし、空き家の使用状況や設備、自治体が定める募集条件によって取扱いが異なる可能性があるため、開催地の自治体や保健所などへの事前確認が大切です。
宿泊場所として提供するには、使用する権利があることに加え、シャワー、トイレ、洗面設備などが使用でき、室内が清潔に保たれていることも重要です。清潔な寝具の準備、鍵の受け渡し、宿泊者の本人確認、近隣への配慮、火災や災害時の避難方法なども確認しなければなりません。
イベント民泊は、所有者が自由に宿泊者を募集して始められる制度ではありません。しかし、地域で大きなイベントが開催される際には、使われていない住宅の今後を考える一つのきっかけになります。